香港3日目

12月8日(日)曇り時々晴れ

 7時半に目覚ましが鳴る。まだ眠い気持ちだが強引に起きる。顔を洗って歯を磨いてから外へ。スーパーへ。というのも以前重慶マンション近くにあったスーパーの店名が変わっていて品揃えがどうか不安だったので、まずは知った名前の方のスーパーで買い物と。そういうことでまずは少し離れたスーパーWellcomeへ。がここは売り場面積が狭く欲しいお茶のTパックの揃えが悪い。でも来たのだから、と少し購入。シャティン競馬場入口
 そして以前Wellcomeだった場所にあるマーケットプレイスというスーパーへ。来て見たらこっちの方が種類が揃っていた。後から知ったのだが、このマーケットプレイスはWellcomeの上位タイプのお店だそうで。無理せず最初からこっちで良かったのか。マーケットプレイスからの帰りに思い出したのは、このスーパーの近くにもライバル店であるパークンというスーパーがあることを。こっちを忘れていなければ。あぁ。
 もちろんスーパー巡りだけでなく朝食も。マカオ茶餐店というレストランで粥をいただく。色んな具材が乗った豪華な味わいのある粥だった。
 新聞を買ってから部屋に戻る。お茶を昨日買ってきた郵便用段ボールに入れてみる。思ったより箱が小さくて、お茶を入れただけで満タンになってしまう。もう2つくらい大きい段ボールでも良かったか。買ってきた物ももっと入ったし。ただそうすると重くなって郵送料も高くなる。だからいいか、と自分自身を納得させる。
 段ボール整理も一段落をつけて、カメラの準備や新聞の競馬欄取り出しなどをする。そう今日は香港国際レースデー。昨日の夜にほとんどの準備は済ませているので最終チェック。問題はなさそうだ。よし、行くか!と9時50分に外へ出る。パドックでのオープニングセレモニー
 地下鉄に乗り旺角・九龍塘経由で東鐡線に乗り換え馬場駅ではなく火炭駅で降りる。こっちの方が本線なので本数が多いし、馬場駅経由だと混んでいる可能性が高い。また早く競馬場に着きたいという事情から火炭駅を選択。ここから歩く人も多く、道を知らないわけではないので問題なく10時40分に沙田競馬場に到着。ほぼ予定通りである。ゲストパスを購入していざ場内へ。
 最初にすることとして考えていた、@オフィシャルプログラム購入A国際レースの冊子獲得Bネットで見ていて買おうと決めていた香港国際レース記念ジップアップジャケット購入Cグッズショップでカードケース購入と4つの行程が全て順調に終わった。こんなに順調に進むとは。
 で荷物になるから、とさっき買ったジップアップジャケットを着込む。裏地があるので来ていたシャツを脱ぐ。これで問題なし、と。この時点でレースまですることがなくなってしまった。早く予定が進みすぎたな。でもいいことである。
 パドックで今日のオープニングセレモニーが始まるという。それを見よう、とパドックへ。太鼓の演奏から香港の歌手KayTseによるミニライブ、そしてモンゴル民族を着た人たちによる輪潜りのアクロバチックなショーと3つの公演が。輪潜りは音楽に乗ってリズミカルに輪を抜けるアクション性の高いもの。ミスなく終わったのは凄かった。ジョッキーセレモニーに参加する岩田康誠騎手
 イベントが終わると1レースのパドックが始まる。さてと、と4と5レースの馬券検討に入る。今回も国際レースのみの馬券購入しか考えていないので。
 3レースのパドックから馬がいなくなったを見て最前列へ。カメラの準備もOK、と。そんな中、発走直前で1頭馬体故障がありスクラッチ。そのためこの後のレース時刻が少しずつ延びる。
 4レースは香港ヴァース。ここは外国馬天国と呼ばれるほど香港馬には用がないレース。香港のレース体系が2400mの長距離に対応していないのもあって、ここの競走馬の層が薄いのである。だから予想も香港馬抜きで考える。去年の勝ち馬イギリス馬RedCadeaux、一昨年の勝ち馬で今年のジャパンカップ5着のフランス馬Dunaden、愛チャンピオンステークス勝ち馬でブリーダーズカップターフ2着のイギリス牝馬TheFugue。他にもローマ大賞勝ち馬ドイツのFeuerblitz、イギリス馬Dandinoなどが揃っている。となると香港馬もだけど日本から出走のAsukaKurichanは流石に厳しいか。香港ヴァース優勝Dominant
 がレースはわからない。程よいペースで直線に入ると中団から香港馬Dominantが伸びてくる。一気に先頭へ。観客のボルテージも上がる。後ろからの外国馬が伸びない。そのままDominantが香港ヴァース優勝。外国馬の草刈り場のレースに香港馬が勝つとは。Indeigenous以来だから15年振りの快挙。なので当然観客も沸く。一方私は呆然。まさかな出来事にしか見えないので。AsukaKurichanは8着。でも僅差だし大健闘である。
 気を取り直して5レースのパドックに向かう。ここは去年の覇者である日本馬の龍王ことLoadKanaloaが出走。今年の日本の春秋のスプリントG1を制してこの場に立っている。当然連覇を狙って欲しい。そして現役最後の姿を華やかにゴールして欲しい気持ちで私もここにいる。
 対抗となる馬は香港馬だとLuckyNineか。一昨年の優勝馬で今年は5月にシンガポールにてクリスフライヤースプリントを制している。他だとアイルランドから2頭出しの1頭でキングスタンドS優勝馬であるSolePowerか。トライアルを勝っている香港馬のCharelsTheGreatもいるが、LoadKanaloaのオッズが1倍台なのを見てもわかる通り現在の香港スプリント界は層が薄いのが一目瞭然。他の馬にも2着争いならチャンスがありそうであるが、勝つのは難しい状況。香港スプリントLoadKanaloa
 レースはLoadKanaloaの独壇場。終始外目を走り、直線半ばで抜け出すと突き放す一方。ゴールでは5馬身の差を付ける圧勝劇で現役最後のレースを勝利で飾った。問題は2着争い。団子状態の中SolePowerが地元のFrederickEngelsをわずかに交わして2着。人気にもなっていた香港馬のSterlingCityは5着。2着から後ろはLoadKanaloaの相手にもならなかったという結果に。
 引き上げてくるLoadKanaloaを見て涙目に。去年日本馬悲願の香港スプリント制覇、そして今年はディフェンディングチャンピオンとして堂々たる姿でゴール。それを見られたことの喜びもあり、嬉し涙である。この場に立ち会えて良かったよ。表彰式を見て再び涙が出た。
 その一方でゴール50m前付近では緑のシートが。レースをよく見るとゴール前で転倒した馬がいた。予後不良判定だったようでその場で薬殺されていた。後からパトロールフィルムを見ると、左右と後ろから進路を塞ぐように包まれて転倒、多分その際に故障をしたのだろう。周りの騎手の随分荒い騎乗に可哀想な目にあったのだな、としか見えなかった。それを見ると無事にゴールイン出来たのは有難いことだと思う。LoadKanaloaの口取り式
 2つのレースが終わって馬券が当たっていない。一般レースである6レースのパドック中に今日の流れを見て、人気馬と人気の盲点になっている馬との組み合わせを考えようと馬券の検討をし直す。それが功を奏する。
 それにしても今日は天候が複雑。曇っているのだが、たまに晴れる。なのでカメラの設定にも苦労する。
 7レースは香港マイル。ここには日本馬がいないので考えやすい。エース格である去年の勝ち馬のAmbitiousDragonがいない。それだけに波乱もありそうな感じではあるが、海外馬は国際G13連勝中のフランス馬MoonlightCloud、この距離では不安も力は上位のアイルランド馬GordonLoadByronくらいにチャンスか。ただこの距離の香港馬は強く、実際このレースは7年連続で香港馬が優勝している。となると香港馬で決まると思っていてもおかしくない。その香港馬を見ると1番人気になっているのはGoldーFunは昨シーズンの香港クラシックマイルの勝ち馬で今シーズン負けなし。エース格のAmbitiousDragonはいないが、今後のマイル界を背負える存在である。これは連を外さないだろう。昨年のこのレース2着のGloriousDaysは休み明けだが見逃せない、今年のチャンピオンズマイル優勝馬DanExcel、近走はサッパリだが力はあるXTensionと揃っている。香港馬で決まる結論にして良さそうだ。香港マイル優勝GloriousDays
 そう見ていた通り香港馬が上位を占めることに。ただ勝ったのはGloriousDays。休み明けではあったが実力があるのを見せ付ける形に。2着は1番人気Gold−Fun。大事に乗り過ぎて負けてしまった感がある。でも力はあるのを感じたので今後の香港のマイル界は安泰である。人気になったMoonlightCloudは6着と振るわず。ここのところ好走していないXTentionの負けっぷりが酷くて、悲しくなる。馬券的にはドンピシャでかなり嬉しい潤いに。
 8レースはメインレース、香港カップ。このレース2連覇中のCaliforniaMemoryが出走せずで荒れそうな雰囲気もあるが、今年のQE2Cとシンガポール航空カップを勝ったMilitaryAttack、今年の香港ダービー馬AkeedMofeed、香港カップトライアルを制しているEndowingと実力馬が揃っている。
 だからと言って香港馬一択ではない。外国馬も今年はG1勝ちはないが沙田競馬場とは相性は悪くないフランスの実力馬CirrusDesAigles、昨年のブリーダーズカップターフ勝ち馬のアメリカ馬LittleMike、前走オーストラリアのマッキャノンSを勝ったイギリス馬SideGlance、ドイツのG1ダルマイヤー大賞を勝っているNeatico、そして日本からは今年一番の上がり馬TokeiHeloが参戦。このレースが一番香港馬対外国馬の図式がしっかりしている。香港カップ優勝AkeedMofeed
 レースはTokeiHeloが単騎で緩いペースで逃げる。直線に入っても逃げ粘るTokeiHelo。沙田競馬場は逃げ切りがしにくい直線の長い競馬場。でももしかした逃げ切ってしまうのでは、と夢を見る。がその夢も残り100mまで。地元AkeedMofeedがTokeiHeloを捕まえると一気に突き放してゴールイン。それでも後ろからのCirrusDesAiglesやMilitaryAttackの追撃を凌ぎ切りTokeiHeloが2着を確保。鞍上の武豊は7年前のAdmireMoonの2着の雪辱を果たせず。また2着か、と思わず叫んでしまった。
 TokeiHeloが2着に入るとは思わなかったので本線の馬券は外れてしまったが、TokeiHeloからのQPL(ワイド馬券)を持っていたので大当たり。しかも1ー2着、2ー3着を持っていたので今日の馬券代はプラスに。いい気分になって今日の馬券購入は終了させる。
 9レースでは1頭放馬をしてしまい、しかもなかなか捕まらないのでそれでなくても発走時間が延びているのに更に押してしまった。最終レースとなる10レースの時点では毎年ナイター競馬になるのだが、今年はレース前にすっかり真っ暗になっていた。TheOneのリラックマ
 全レースが終了、閉会セレモニーが始まる。香港国際レースのテーマ曲に乗って今年の香港国際レースウィークのダイジェストから今日のレースの映像まで流れる。毎年のことなのだが、これを見ているだけで泣けてくる。そして音楽に乗って花火が夜空を舞う。そして最後に「See You Next Year」の文字にまた来年来るぞ、という強い気持ちになる。
 今年の香港国際レースは香港馬3勝。しかも勝ち目のなかった香港ヴァースを勝ってしまうとは。またAmbitiousDragonやCaliforniaMemoryといったエース格を欠いた状態でのこの結果は驚きである。ただそれと同時に外国馬のレベル低下が気になる。香港馬が強くなっているのもわかるが、今後海外から実力のある馬が出走しに来るのか、という心配が。国際レースの今後が気になってしまう。
 行きと同じように火炭駅から東鐵に乗ってホンハムで西鐵に乗り換えて尖東へ。荷物を抱えながらゲストハウスに19時半に戻る。荷物を置いて、一息付けてから泊まっているゲストハウスと同じフロアにあるインド料理屋のタージマハルクラブへ。チキンマドラスと白飯、ラム肉の炭焼きとマサラティーを注文。よくよく考えると朝の粥以降何も食べていない。そりゃお腹が空いているわけである。ガッツリと食べる。気になったのは値段アップより味が変わったかな、ということ。今のも悪くはないが、あれっ?というのがあって。また具材も変わっている。気になってしまう。TheOneのリラックマ
 食べ終わってから外を散歩。TheOneというショッピングモールのクリスマスイルミネーションでリラックマを使っている。これは是非とも見たい、と向かう。見ると可愛い。これは見入ってしまう。写真にもしっかりと収めてくる。香港でもリラックマは人気があって、日曜夜遅い時間ながらも多くの人がこの場にいる。嬉しい光景である。ついでにTheOne内を歩き回る。黄色い大きなアヒルが今年の香港の話題になったのだが、その黄色いアヒルをキャラとして使っているB.Duckという香港のデザイナーブランドのお店が気になる。が今日の営業は終わっていた。今度は営業時間に来たい。このアヒルを使ったグッズは本当に気になる。可愛かった。
 その後HMVを経由して部屋に。明日はホテルが変わるので荷物整理と日本に送る物のインボイス作成や箱詰めをしていると競馬番組が始まっていた。テレビを見ながら作業を終わらせる。
 作業も終了し、番組も終わったので寝よう。明日も朝早いし。
 1時半に寝る。

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