メルボルン旅行記1 3日目

2月18日(土)曇りのち晴れ

 朝7時半に目覚ましが鳴る。グダグダしているうちに8時になる。朝の散歩とレッドローバーアリーナ入口食事を取るためにベッドを出て着替えて外へ出る。向かったのはメルボルンパーク。これは総称で、色んなスタジアム類がある公園地域を指している。見ておきたい場所の一つだった。
 歩く事20分かかり到着。目的地の近くにはトラムストップがあった。トラムに乗って来られるのか。まずロッドレーバーアリーナへ。ここは毎年1月に行われる全豪オープンテニスのセンターコート。テニスプレーヤー憧れの場所。デッカイ建物である。もちろん中には入れないので外観を眺めるが、立派なものである。このアリーナの周りにはいくつものテニスコートがあり、ここでも全豪オープンの試合が行われる。こっちは一般の人も利用可能で、コートには朝早くからテニスを楽しむ人たちで溢れていた。ロッドレーバーアリーナの外周を回りながら、隣にあるボーダフォンアリーナも眺める。こちらも結構大きな箱物だ。この2つを中心に全豪オープンが開催されるのか。さすがテニス4大大会の会場。規模がデカイ。
 このアリーナ群から道を隔てた向こう側にはオリンピックパークスタジアムがある。ここは名前の通りオリンピックが開催された時にメインスタジアムとして使われた場所。結構大きい競技場なのかと思われたが、実際見てみると小さい。収用人数は1万5千人いくだろうか。
 レッドローバーアリーナの横を電車が走っているのだが、その線路を挟んだ先に大きなスタジアムもある。メルボルンクリケットグラウンド正面入口クリケット場らしいのだが、気になるのでそっちにも行ってみる。歩道橋を歩き、目の前に見えた建物(正式名称はメルボルンクリケットグラウンド)は見上げるほどデッカかった。ここも中には入れないので、外を回ってみる。すると中が見える場所があって、そこから覗くと、クリケット場にはトラックも付いていた。クリケット場と言われているが、競技場の色が濃いような感じ。多目的な競技が行う事が出来るスタジアムなのだろう。スペンサーストリートの近くにあるテレスタドームと並んでメルボルンのスポーツの中心的建物に違いない。
 見たいものは見られたのでホテルへ戻る。トラムに乗っても良かったのだが、健康のために歩く。ホテル近くのカフェで朝食。ベーコンエッグトーストとオレンジジュースを注文。ベーコンは大きくカットされていて食べ応えがある。値段の割に量もあって、美味しくいただけた。
 11時過ぎにホテルへ戻り、競馬へ行く準備をする。今日の1Rの発走時間は12時15分。なので急いで荷物を整える。
 メットショップで1日乗車券を買い、59番のトラム乗り場へ。ストップに着くとすぐにトラムが来た。ここから競馬場近くのトラムストップまで30分あまりという。だけど行ったことのない場所なので着けるのかどうか不安。とりあえずトラムの中を見て競馬場に行きそうな人を探してみるが、いない。競馬場に行く人の後をつける戦法は出来ないか。窓の外を眺めていればいいか。イスに座り外を見る。途中からトラムストップにストップ名が書かれた看板がなくなった。今通ったストップ名は何なのだろうかわからない。これは困る。降りるストップ名はわかっているが、通りすぎてしまうという事だってありうるわけだし。そう思うとますますハラハラしてくる。しばらくすると競馬場へのムーニーヴァレー競馬場入口看板が見えた。ここで降りたらよいのかと降りるが、この看板はパーキングへのもの。しまった失敗だった。でもムーニーヴァレー競馬場最寄駅のムーニーポンズは3つ先のストップだというのもわかったからいいか。すぐに次のトラムが来たので乗りこみ、ムーニーポンズ駅で下車。ここには駅名が書かれた看板があった。心配は取り越し苦労だったのか。もう少し落ち着いていればよかったのだね。
 何はともあれムーニーポンズに到着。道路を横切り200m位歩くと目の前にムーニーヴァレー競馬場の入り口が見えた。入り口を見た瞬間思わず「ここは船橋か川崎か?」と感じてしまった。フレミントン競馬場より建物も小さいし、競馬場が醸し出す雰囲気が地方競馬場そのものだったからだ。ここはメトロと呼ばれるオーストラリアでもメインにあたる競馬場のはずだけど、本当にメトロなのかよ、と疑いたくなった。そしてここより小さな競馬場ってどれくらい小粒なのか、見たくもなった。
 エントランスで入場料を支払う。今日はグループ1の日なので20ドルだと言われる。競馬場に入るのに日本円で約1800円も払うのか。昨日もそうだったけど、競馬場に入る入場料が高すぎる。
 中へ入り、まず右側へ向かう。するとパドックが見えた。小さい。非常に小さい。川崎のパドックより小さい。そのまま進むと1コーナーの端にあるレストランの一角に着いた。ここからコースの外観を見る。1コーナーからコースを見る話には聞いていたが四角い競馬場だ。まず1コーナーを回ると長めの直線があって、2コーナーへ、ここを回ると向正面。すぐに3コーナーがやってきて長い直線があって4コーナー、そしてゴール前の短い直線コースが来る。なんて変なコースなのだろう。
 来た道を戻る。パドックの横にある待機所では鞍を乗せている馬と乗せていない馬が回っていた。パドックの目と鼻の先、しかも一般客が見える所に待機所があるのか。日本では考えられない。フレミントンもそうだったけど、ちょっとしたカルチャーショックを受ける。
 1Rはレースを見るだけにし、競馬場探索をする。入り口付近にはブックメーカーが軒を連ねている。買えるのは単勝、もしくは複勝のみ。単複派ではないので、あまり興味がない。でもここのオッズと場内に出るオッズを見比べるのは面白い。2階へ上がるとブックメーカーではない馬券売り場を見つける。ここには昨日お世話になった自動馬券購入機もある。良かった。ここで馬券が買える。このフロアでグッズショップを見つける。コックスレート物が多い。あまりそそられるものがなかったので見るだけで店を出る。2階のフロアからコース側へ向かうとスタンド席に着いていた。ここからレースの全体図を見るのも面白いなとイスに座って2Rを見る。馬券はDuetで勝負するも外れる。
 フラフラと歩きながら芝生席で座りながらボケっとする。昨日のフレミントンより人はブックメーカーがいるエリア入っているが、どうも目の前で競馬を開催している競馬場の雰囲気がしない。殺伐感などはなく、どちらかというとピクニックに近い。子供も多いし、馬券を握りしめて叫ぶ人も少ない。特に芝生席にいる人たちは馬券を買っているようには見えない。ビールを片手に競馬場という空気を楽しんでいるようだ。これがオーストラリアの競馬なのか。実際に肌で感じてみてわかった。
 3Rも終わり、4Rからはグループ2のステークスレースが始まる。4Rは3歳馬限定のTOP CUT協賛のレース。このレースは複勝が当たる。この日初当たり。がこの後苦難の連続。5RのASSESSING & TRAINING SERVICES協賛レースを外すと6RのWOODSTOCK CLASSIC(名牝SUNLINEも勝ち馬に名を連ねる3歳牝馬限定レース)では馬券を買い間違える。買い直すが、当然のように両方の馬券は外れた。しかし次はお待ちかねのオーストラリアS気持ちを入れ替える。
 パドックの方へ向かうとまだ馬は出てきていない。周りをフラフラ歩くと今日出走する全馬の馬房がある場所に着いた。こんな所まで一般客が来てもいいのか。またもカルチャーショック。オーストラリアSに出走する、ゼンノゴウシュウ、いざ出陣日本より長期遠征中のゼンノゴウシュウの馬房を探す。いました。ちょうど鞍を乗せ終わった所だった。日本で1回も見た事のない馬とこんな所で会うとは。
 パドックへ行く。しばらく待っていると出走馬がやって来た。馬の目利きができる能力はないのでどの馬が良いのかわからない。なので競馬新聞などから勝ちそうな馬を何頭かピックアップし写真を取る。
 馬券を買ってから芝生席へ。ここで観戦。レース直前にPARATROOPERSがスクラッチ。買っていた馬なのに…。発走時間が来て向正面の奥からスタート。激しい先行争いをしながら3コーナーへ。ゼンノゴウシュウは全然ついていけない。3・4コーナー間の直線を走り、コーナーを回って最後の直線に入る。中段にいたチャイルド騎手鞍上の牝馬VIRAGE DE FORTUNEが抜け出してゴール。2着には同じ3歳牝馬のREWAAYAが入る。レースについては実はほとんど覚えていない。知らない馬ばかりなのもあるが、レース後のリプレイが1回くらいなので、頭にインプット出来なかった。ちなみにゼンノゴウシュウは10着。
 グローバルスプリント1戦目のライトニングSよりメンバーが落ちていたし(ライトニングS上位3頭が回避)、ライトニングS4着馬が2着なのだから、このレースのレベル的には高くはなかったと思った。勝ったVIRAGE DE FORTUNEはそれなりに力はあるが、ライトニングSを制したTAKEOVER TARGETには現状では足りないだろう。ただまだ3歳馬。今後に期待しても良いかな。小難しい事はさておき、オーストラリアで国際的なレースを見られた事だけで十分OK。馬券は外れたが、オーストラリアS優勝馬、VIRAGE DE FURTUNE競走自体を楽しめたのだから良いとしないとね。
 この後スタンドの2階にある馬券売り場の当たりをうろつく。ここにもブックメーカーがいて、彼らの動きを見ているだけでも面白い。そしてここは場外の競馬場のオッズ画面があるので多くの人がここでオッズを見ながら馬券を買っているようだ。でも大きな声で叫ぶような人はいなく、ビールを飲みながらレースを見ているだけの感じである。またまったりとイスに座っている人もいる。本当にここで競馬をやっているのか、不思議になる。オーストラリア競馬文化は奥が深い。
 馬券は8Rを外し、最終レースへ。ここまで負けが続いているので弱気な馬券、複勝3頭買い。しかし買ったうちに2頭が3着までに入る。これならDuet馬券にしておけば良かった。当たったけど悔しい気分。でも仕方ない。それも競馬だ。
 まぁ目の前の競馬が終わった事だし(他場開催はまだやっているが)帰るとするか。ムーニーヴァレー競馬場、馬券は外れっぱなしだったが、楽しい思い出がたくさん出来た。今度来る時は儲けたいな。
 競馬場の門を出る。通りの方へ歩き、トラムストップへ。トラムが来たので乗る。乗っている人も少なかったので座席に腰かける事が出来た。市内に入り、トラムを降りる。歩いてホテルへ戻る。時計は18時40分。昼間は食べていないのでお腹がすいている。荷物を置いて食事に出掛ける。
 メルボルンの街には色んな国の食事にありつける。その中でも気になっていたのは日本食。中心的な通りにも日本食屋がいくつもある。このメルボルンの地で日本食はどのように伝わっているのか。メインの通りにある日本料理屋リサーチしてみたくなっていた。なので食べに行く。たくさんあるのでどこにするか迷うが、何となくマトモそうな店に入る。メニューは英語表記(そりゃそうか)。他の店もそうだったが、日本食屋はどこもお寿司がメイン。日本食=お寿司というのは世界共通なのかな。でここでお寿司を食べても意味がない。この店にはどんぶり物がある。これを試してみたい。メニューの中にあるどんぶり物のうち親子丼を注文。一緒に頼んだビールを飲みながら待つ。そして目の前に来た親子丼、器は大きい。日本でいうところの大盛りサイズ。てんこ盛りになった具材を見る。鶏肉は薄くスライスされている。卵は完熟。味は一本調子で醤油の濃さが強く甘みがない。日本で出てきたら問題だけど、海外の日本食と考えればありなのかな。大甘判定だけど。具の方は問題があったが、ご飯は旨い。オーストラリア米はかなり美味しい。これだけでもいける。日本食屋の料理、1軒しか入っていないが、的は大きく外れていなかった。他の料理も食べられる範囲に出来あがっているだろう、多分ね。
 その後中華街にある中華料理屋で海鮮湯麺をいただく。中華街の中華料理は外れがない、という言葉は本当だった。美味しくいただく。
 また近くをふらついてから21時ごろホテルへ戻る。家への土産のワインを買い忘れていたのに気付いて再び外へ出る。ワインショップに行く前にフリンタースストリート駅が見たくなったので駅方面へ行く。その途中、今回の旅の出来事が頭をよぎった。初めて一人で夜景も綺麗なフリンダースストリート駅見知らぬ国へ来た(今まで初めて行く場合は添乗員や友人が一緒にいた)。不安もあったけど空港からホテルへ着けたし、競馬場にも行けた。目的は達成できた。その事が嬉しかった。
 フリンダースストリート駅前の広場の前で腰かける。メルボルンに来て本当に良かった。いい気分転換が出来たし少し成長できた。本当に良い経験をたくさんした。またこんな旅をしたいとライトアップされて昼間より更に美しくなったフリンダースストリート駅を見ながら、思った。
 いつまでもここに座っているわけにはいかないので立ち上がる。中華街にあったワインショップでワインの選定。メルボルン郊外のヤラヴァレー産の赤を1本購入。ホテルへ戻り、買ったワインを部屋に置いてからネットをしにグラウンドフロアへ降りる。フロントで30分接続を申し込んでネットスペースでオリンピック関係や日本でのスポーツニュースを中心に情報収集。
 23時に部屋へ戻り、荷物整理。お土産類はほとんどキャリーバックに入る。手荷物は少なくてすみそうで良かった。0時に寝る。明日は早起きだ。

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