香港2日目

12月12日(土)曇り

 6時15分にアラームが鳴る。起きて身支度を整えて30分後には外へ出る。地鉄に乗り太子駅で下車。モンコック朝食会の模様スタジアム方向の出口を出ると・・・いました、いました人の列。競馬場へ向かう人たちがいました。そこに並んでシャトルバスに乗ってシャティン競馬場に到着。が風が冷たい。ここは海に近いから普段から風が吹くのだが、今日はいつもと違う冷たさがある。日差しがないのも要因の一つか。
 朝から競馬場に来たのには訳がある。それは香港ジョッキークラブ主催の調教鑑賞会「Breakfast With The Stars」に参加するためである。そのためにロイ君にチケット購入をお願いしていて、昨日受け取っていたのだ。調教を見ながら朝食が取れて、しかもお土産が付いている。それと普段競馬場には入れない子供も入場可能なので毎年好評を得ているイベントである。ちなみに今年のお土産は馬運車仕様のティッシュペーパーケースと馬のぬいぐるみ。競走馬とかでなく、単なる馬。ちょっと微妙。
 馬場を見ると香港馬が調教中。まだ海外馬のは始まっていない。もっとも今の時刻が7時半で、海外馬に馬場開放するのは8時以降。だから気負って調教を見る必要性もなし。席を確保しようと空いている席探し。席に腰掛けて朝食をいただこうかな、と思うがまだ準備中。せっかくお腹をすかして来たのに・・・。
 8時になって朝食の準備か完了。真っ先に狙ったのは粥。粥は毎年大きく外れていないし、ましてや寒い。セールの前説身体を温めないと。もちろん粥のほかにもパンとかもいただく。そうこうしているうちに大型ビジョンの幕が開き、海外馬の調教が始まった。レース前日ということで激しい調教をする馬はいない。ほとんどの馬がオールウェザーコースにて軽めの調整のみ。その中で気になったのはフランス馬が隊列を成して馬場を走っていたこと。何となくカッコよかった。あと数年通っていて感じていたことでもあるのだが、海外馬の調教姿を写真に収めるには4コーナー付近で待っていた方が良い。4コーナー奥に海外馬の厩舎があり、ここから馬場入りをするので。来年以降は気をつけてみよう。
 その後ステージではGoodBaBaのオーナーだったりがやってきて展望などを語る。当然広東語でしゃべるので内容はわからない。ただGoodBaBaのオーナーは3連覇すると公言しているのだけは良くわかったが。
 10時にイベントが終わり次はセールだな、とパドックへ向かう。が今年はちょっと違う。セキュリティが厳しい。例年だと入れるメンバーエリア付近も関係者しかダメである。当然こちらでしか配られないセールのカタログももらえない。カタログを見ながらセールを見るのが楽しみになのに、これでは・・・。セールに参加する馬や細かい血統がわからないから楽しめない。係員の人にカタログだけでも欲しいと話してみたが、ノーのオンパレード。なのでセレモニーと最初の馬のセールだけを見て競馬場を後にする。
 ちなみに今年のセールは21頭のエントリーで、うち2頭が取り消したので19頭が売りに出された。そこそこの売れ吉野家の看板行きだったそうだが、例年に比べて頭数が少なかったので物足りないという意見もあったそうだ。
 歩いて火炭駅へ行き、九龍塘駅で地鉄に乗り換えて尖沙咀駅へ。部屋に戻って荷物を少し軽くしてから再び出掛ける。
 向かう先は香港島。しかもコーズウェイベイの吉野家。朝食が食べ足りなかったので吉野家で追加である。吉野家に入ると列が出来ている。香港の吉野家は日本とは違ってカウンターで注文して、商品を受け取って席に行くセルフサービス方式。だから列が出来ている。でも吉野家に列が出来るのか・・・。さすがは香港の吉野家だ。牛丼セットを注文、トレイを持って席に座る。
 それにしても空気が緩い。吉野家というのは殺伐感がある店、でもここはファミリーライクである。そんな吉野家は吉野家ではない! と一人黙々と牛丼を食べる。殺伐感を出しながら。
 食べ終わって次に向かうのは香港競馬博物館。ここ2年間工事中だったりして残念なことが多かったのだが、今年はどうなっているのか。楽しみにしながら歩く。そしてエレベータで2階に上がり博物館へ。中へ。売店をまず覗くが商品が少ない。かなり残念。が展示物に狂喜乱舞。この時行われていたのは香港ジョッキークラブ125周年記念展。なぜ125周年と中途半端なのかはわからないが(ちなみに去年はシャティン競馬場開場30周年)。でも展示している物は歴史を感じさせる物ばかり。特に感動したのは日本軍の統治下に置かれていた当時のレーシングプログラム。他のプログラムと違って昭和の年号が入っているという違和感を表していた。中身は見られなかったのだが、これは本当に興味深い物だった。他にも125年の歴史を感じる物ばかり。本当に良い展示だったと実感。香港競馬博物館のエントランスとても面白い企画だった。でもなぜ125周年で祝うのだろうか?
 再びコーズウェイベイに戻りタイムズスクエアに向かって歩く。ここから上を見ると見られるのが香港のメイド喫茶であるMaid Date。前回去年12月に来た時は内装工事をして中に入れなかったが、今回は大丈夫だと信じてみる。
 ビルの入り口を探すのが一苦労なのはいつものこと。そしてこのビルに入るにはセキュリティを突破しないといけない。ビルの入り口は鍵がかかっているからだ。でも大丈夫、ビルのドアの横にボタンがあってMaid Dateのボタンを押すと鍵が開くから。ボタンを押して鍵を開けてエレベータに。このエレベータもやっかいな代物。手動でドアを開けないといけないのだ。まずはエレベータがやってきたら扉を引く。続いて鉄柵を横に開くとエレベータの中に入れる。そしてボタンを押して2階へ。到着したら素早く鉄柵を横に開いて扉を押せばフロア到着。日本ではまず見られない手動式に戸惑う人もいるだろう。そしてエレベータを出て左に向かうとようやくMaid Dateに到着できる。1つのアドベンチャーゲームみたいだ。
 で着いたメイド喫茶Maid Dateだったが、扉が閉まっている。何で? と思っていると中から男性が。開店時間は15時半だという。現時刻は14時半。まだ1時間あるのか。しかたない、と一旦外へ。とは言うものの、どこへ行こうか考えがつかず結局スタバへ。パソコンを持ち歩いていたのでスタバならネットに繋げることが出来るし。安直だがしかたない。でスタバを探し回る。
 スタバが見つかりここで一服。ただスタバの後に喫茶店に行くのはいささか変な行動ではあるが。しばらくしているとメイド喫茶「MAID DATE」の看板Mais Dateの開店時間になるが、すぐに行くのはがっついているなと思われそうなので、もうしばらく留まる。
 16時半にメイド喫茶Maid Dateに到着。日本語での挨拶が無かったのがホッとする。対応してくれたメイドさんは可愛い。またメイド服も黒を基調にしていてなかなか。あいにく部屋の中の席が満席だったのでバルコニー席を選ぶ。ここなら外を眺めながらコーヒーが楽しめる、と。が外は排気ガスで煙い。この席にに長居は出来ないと、中の席が開いたらそこに座りたいと注文してみると大丈夫とのこと。ありがとうございます。
 さてこのメイド喫茶のMaid Date。テーブル席が4つとこじんまりとした喫茶店。バルコニー席はイスが8脚。日本のようなメイドさんヲタがおらず、喫茶店というのを感じさせる。メニューはドリンク類が目立つ。コーヒーからアルコール類も取り揃えていて数も豊富。その分食べ物が弱い感じがする。メイド喫茶といえばオムライスだが、ちゃんとメニューに載っている。あとデザートも弱い。少なくともデザートくらいは迷うくらいあると嬉しい。メイドさんは行った時間帯は2人。その他に男性のスタッフも常駐している。日本語はしゃべれないようだが。メイドさんは可愛い娘が揃っている。あまりヲタク臭が無く、コスチュームを着ている喫茶店に働いている感じか。テレビでは日本のアニメが流れていた(この時は舞-HiMeだった)。多分広東語に訳された日本のアニメをいつも放映しているのだろう。だからと言って日本色が強くは無い。雰囲気は落ち着いていて、のんびりとした時間を過ごすには十分だろう。注文をしてから商品が来るのが少し遅いのが気になったが、量は多い。あと日本語での対応は難しそうなので英語は必須かな。そんな感想である。黄金電脳中心の中
 私はメニューを見てラテとマンゴームースケーキを注文。なかなか美味でした。またラテのグラスが本当に大きかった。ビックリ! メイドさんの姿に疲れていた私はすっかり癒される。昨年来られなかった仮をしっかり返した。本当にありがとうございます。1時間半以上滞在してしまったが何も嫌な顔をしないメイドさんたちに感謝。
 地鉄を乗り継いで九龍に。車内で次はどうしようかと考える。さすがに3店連続喫茶店は、と。そんなわけで深水歩の黄金電脳中心へ。とりあえずゲーム関係で面白い物があればそれを買おうと思っていた。店の中をじっくりと見ながら歩き回る。以前ショーケースに並んでいたマジコンが全く無いのは不気味。普通にゲームソフトが並んでいたが、買う人はいるのだろうか。ハードも一時に比べると持って遊んでいる人の数も減ったような気がする。信和中心でも思ったが、ゲーム屋にあまり活気を感じられない。気のせいか?
 ここ黄金電脳中心に来たのは他にも理由があった。それは安くて性能の良いデジタルフォトフレームが無いかと探しに来たのだ。400香港ドルくらいで画像がそこそこ綺麗なフォトフレームがあれば、と歩き回る。が安いのはあっても性能があまり良くないのばかり。ここならそれなりの物があるかな、と思っていたので残念である。日本で売られているのより少し安く性能がそこそこなのはあったが、それなら日本で買うし。とにかく残念だった。
 黄金電脳中心の中を歩きながら気になっていたことがあった。それは香港スタジアムで行われていた東アジア競技大会のサッカーの決勝である。対戦は日本対香港なのだが、17時から始まっていた。どうなっているのか気になっていた。たまたまビル内の店舗でその試合を放送しているところで見ると延長前半で1−1。どちらも体力が尽き果てているみたいだ。どうなるのかな、と思い歩いていたのだが、この後の結果が気になりどこかで街頭中継しているところが無いかを探す。ビルの外の電気屋で放送をしていたので延長後半から見る。
 考えてみると回りは人だかり。しかも全て香港人だ。そこに日本人が私1人。気まずさを感じていた。これで日本が勝ったらどうなる? 多分どうもならないだろうが気まずい空気が流れるだろう。試合は延長戦でも決着が付かずPK戦に。日本・香港の選手が蹴るたびに声が漏れる。さすがにまずいなぁ。日本勝って欲しいけど。そう思っていたら日本の選手がPKを2本外す。香港も1本目を止められるが、その後は全員決めて結局香港がサッカー大会優勝ということで幕が下りる。まぁ良かったのかな。
 そういえば3月の釜山旅行ではWBCの日本対韓国の2NDラウンドの試合を見たっけ。あの時も韓国が勝ったな。銀行で両替をしている時に点が入った時は行員さんと気まず階段にあるメイド喫茶「MAIDER LAND」の看板い空気になったっけ。どうも今年はそういう旅行の運命にあるらしい。
 そんなこんなで黄金電脳中心にも1時間半以上滞在してしまった。心を揺さぶるゲームやデジタルフォトフレームは見つけられなかったが、コンパクトなマウスが安く売っていたので購入。これで出先でのミニノートPCのマウスに困らないぞ。
 地鉄に乗って油麻地駅へ。そこから旺角を目指して歩く。ネイザンロードの信和中心の反対側にあるビルを目指す。そこのビルの入り口は露天が入っていて、ビルにはドアが無い。奥に階段があるのだが、普通なら見逃してしまいそうな感じである。でもそこに目的の店がある。露天の横をすり抜けて階段を昇る。そして3階まで歩くとそこに目的の店、メイド喫茶MaiderLandがある。実は昨日来た(閉店していたが)オタクカフェでもある。 メイド喫茶MaiderLandは平日はオタクカフェという漫画喫茶になっていて、土日はメイド喫茶として営業しているのだ。土日限定なので今日しか来られない。ワクワクして3階まで上がる。すると昨日は鉄柵があったが、今日は無い。良かった、と思っていたらCLOSEの看板が。マジですか? 帰ろうと思ったがベルがあって、ここを押してくださいと広東語で書いてあったので押してみる。で誰も出てこなかったら諦めよう、と。すると中から人が出てきました。メイドさんである。良かった、営業していた。
 そんなわけで21時前に中に入る。少しビックリ。喫茶店というよりロビーみたいな作りである。店舗のような感覚でいたので違和感があった。でもこれもこれで味があって良いな。そう思いながら席に腰掛けるとメニューと日本語でメイドさんがお店の案内をしてくれた。メニューを見ながら抹茶ミルクを注文。食べ物も注文したかったが、ちょっとお腹が空いていなかったので断念。店内には広東語訳されている漫画がたくさん並んでいる。気になったので読んでも良いですかと聞いたら、良いですよとのことだったのでいくつか気になる漫画を読む。メイド喫茶「MAIDER LAND」の入り口
 このメイド喫茶MaiderLandは先にも書いたが、土日だけ営業のメイド喫茶。机の席が無いので広く感じる。ここは香港の大学生が日本文化を研究していて、広めるために作ったお店である。なので中の人はボランティアで働いている。香港の人が日本文化を香港でも根付かせようとしているのかと思うと感動してしまう。この店のメイドさんはもちろん日本語が上手で日本のアニメや漫画、ドラマにも精通している。何とも素晴らしい。しかも積極的に日本語で喋ってきてくれるのも嬉しい。で気になるメニューであるが、アルコール類は無いが飲み物類は豊富。食べ物も日本のメイド喫茶並みといっても良いのではないだろうか。飲食ともに数を揃えている。もちろんここにもオムライスは存在する。漫画の数は1千冊を超えるかもしれないが、ただ残念なことに古い物が多い。最新のがもう少しあると嬉しい。でも80〜90年代に日本で流行った漫画の広東語のは興味を引かれる。翻訳の手法は当時と今とあまり変わっていないので日本の漫画がどのように広東語にアレンジされているのかを見るにはもってこいである。ただこのメイド喫茶、商業ベースだともう少し手を加えないと香港の人に興味を持ってくれないかな、と思った。でも日本文化を伝えようとする精神には心が打たれた。こういう人たちの存在が嬉しすぎる。ちなみにこのメイド喫茶の制服は黒を基調したシンプルな物。可愛らしいメイド服である。
 抹茶ミルクを飲みながらメイドさんが色々と話しかけてきてくれる。多分私は日本人の旅行者だからだろう。どうしてこのお店を知ったのかから気になる漫画やアニメなど色んな質問が来て、それに答える。私の話す言葉を熱心に聞き入る姿は嬉しかった。私の言葉から何かを得ろうとする姿には頭が下がる。彼女たちなりに日本文化を表現していて、それがわかった。とにかく嬉しかった。それだけである。営業時間の都合1時間しか話が出来なかったがとても貴重な時間だった。今度行く時は逆に彼女たちが持っている日本文化感について質問をしてみたい。
 帰り際に「いってらっしゃいませ、ご主人様!」の声が心に響いた。
 階段を下りて街中へ。良い経験をしたな、と思いながら歩く。途中スーパーWelcomeでTパックの中国茶を大量購入してからMTR地鉄に乗って尖沙咀へ。部屋に戻る前にビールとつまみになるようなものをセブンイレブンで購入してようやくの帰還。
 シャワーを浴びてからパソコンを見ながらビールで一杯。とても気分が良い。しばらくしていると競馬番組が始まったのでビール片手に競馬予想。調教を見るが特にわかるわけでもない。普段から見ていないから。雰囲気だけを楽しむ。国際レースのはしっかり見ておいてから1時半過ぎに寝る。

 

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