香港3日目

12月12日(日)曇り

 9時半に起床し、シャワーを浴びて気分リフレッシュ。10時過ぎに朝食を食べに外へ。多分この後の食事時間は夜までないだろうからしっかり食べないと、とお粥と焼きそばを食べる。ちなみにどちらも普通サイズのお皿でやってくる。食の細い人には無理だろうな、完食は。
香港国際レースのゴール板  ホテルに戻って競馬場に向かう用意を済ませて、11時にホテルを離れる。MTR地鉄から九龍塘駅でMTR東鉄に乗り換えて、馬場駅経由の電車で乗れば・・・競馬場は目の前。久々だ、沙田競馬場。ワクワクが広がり、身体全体に気合が入ってきた。よし、行くぞ!
 入場口でメンバーエリアに入れるチケットを購入し、いざ競馬場へ。今年の入場者プレゼントである帽子をいただく。今年のはデザインが良いな。ただこれを被るのは、いかにもなのでいつも通り帽子のアジャスターをカバンの肩掛けに引っ掛けておく。
 F氏とは落ち合う場所を決めておき、ここで一旦別れる。
 まず私は香港国際レースの記念グッズ売り場へ。ここで毎年恒例の帽子購入。ジャケットも欲しかったのだが、年々デザインが悪くなっているのが・・・。それに今年はプルオーバー式のジャケットだったし。いかにも香港国際レースというデザインのが好きなのだけど。
 帽子購入後はレーシングプログラム(正確にはオフィシャルプログラム)を探しに歩く。これは早めに買わないと無くなってしまう。ただ今年は日本馬の出走が少なく、またクラブ馬がいなかったから楽々購入できた。
香港ヴァース優勝Mastery  そんなこんなで歩き回っていたら1Rのパドックの時間になってきた。早いなぁ、時間が経つのは。今回もお金がないので基本的に国際レースのみの馬券購入なので焦らない。とりあえず自分自身のポジションだけは確保しないと。
 1R、2Rが終了し、そろそろ行くかとパドックへ。3Rパドック前に国際レースに騎乗する全騎手が揃ってのセレモニー。気持ちも高ぶるな。ちなみに3Rは1班のレースで、しかも香港スプリントやマイルから漏れた馬が多かったのでので知っている馬が多い。ちなみにこのレースは人気薄のMultigloryが勝利。オーストラリア産の4歳馬だけに、年明けのクラシック路線でも注目してはいいかもしれない。
 そして来ました4R。香港ヴァース。今年のメンバーを見れば日本から参戦のJaguarMailにもチャンスありか、と思っていた。相手はメルボルンカップを勝っているAmericain(フランス)、アメリカG1を勝っているWinchester(アメリカ)、そして香港馬でありながらメルボルンカップに出走したMrMedic(香港)にRedwood(イギリス)。香港の実力馬であるVivaPatacaはここでは用がないと切る。ここからどのようにJagaurMailが絡むかと考えながら馬券を購入。
香港スプリント優勝JJTheJetPlane  だがレースは緩いペースの中、直線入り口で先頭に立ったMastery(ドバイ)がそのまま先頭でゴール。馬券はこの時点で外れ確定・・・。でJaguarMailはどうだったというと後方から押し上げるもRedwoodとAmericainを抜けずに4着どまり。このペースなんだからもっと前の方で競馬が出来たら良かったのだけど。レース後に騎乗していたウイリアムス騎手が関係者に「ペースが遅かったから」と言っていたが、それは折込済みではなかったのか? まぁ仕方ない、JaguarMailなんだから。
 写真を一通り撮り終えて再びパドックへ。5Rは香港スプリント。個人的興味が高いレースである。香港の短距離王SacredKingdom(香港)にシンガポールが誇る快速王RocketMan(シンガポール)が出走するからである。この2頭はトライアルであるジョッキークラブスプリントで対決してRocketManが勝利(1着同着)を収めている。ただSacredKingdomは日本遠征直前に体調を崩し、復帰戦だったということを考えるとこのレースの3着は上出来。体調万全のでのレースであろう。他にもジョッキークラブスプリントで1着同着のもう1頭OneWorld(香港)も調子が良い。日本のスプリンターズSでは人気を背負って負けているが、シンガポールでのクリスフライヤースプリントではRocketManを破っているGreenBirdie(香港)、他にも香港馬のLuckyNine(香港)、LittleBridge(香港)、南アフリカのスプリントG1を連勝しているJJTheJetPlane(南ア)もいてメンバーは豪華である。
 レースは直線に入り、SacredKingdomとRocketMan、JJTheJetPlaneの争いに。手に力入る競り合い。歓声はゴールに向かうごとに大きくなる。3頭での決着は見えてきた。で誰が先頭でゴールするのか。心臓の鼓動と足音がリンクする。わずかにJJTheJetPlaneが抜け出した所でゴール。JJTheJetPlaneに先着されるもRocketManは2着を確保、地元SacredKingdomは僅差の3着に終わった。
香港マイル優勝BeautyFlash  見終わってとんでもないレースを見たと心底嬉しくなった。2002年のSilentWitness(香港)とNationalCurrency(南ア)とのマッチレース以来の感動。このレースを生で見られたことに感謝である。実力馬が実力通り以上の力を出し切っての走りに涙が出た。良かった、香港に来て。
 レース後ウイナーズサークルで走り回って喜びを表現していたJJTheJetPlaneの厩務員を見て更に微笑ましく思えた。かっこいいぞ、JJTheJetPlane。
 そんなわけで少し燃え尽き(でも馬券は当っていて、しかもJJTheJetPlaneは穴人気だったので好配当に)、6Rはパドックの最前列で立ちながら見る。
 7Rは香港マイル。日本からはAShinForward(日本)が出撃。少しばかり期待をする。ただ香港馬も手強い。GoodBaBa(香港)はこのレース3連覇中だが、以前の強さが無く、またオーラも感じれない。期待は出来ないが、他が揃っている。AbleOne(香港)はチャンピオンズマイルを優勝している、ThumbsUp(香港)はマイル路線に転向後好走している。FellowShip(香港)、BeautyFlash(香港)、SightWinner(香港)といった古豪も存在する。なので海外馬が立ち回るのは難しいのでは。イギリスから参戦のPacoBoy(イギリス)はイギリスのG1を勝っているが、今年レースを使いすぎているし。怖いのは前走日本のマイルCSを好走しているSahpresa(フランス)くらいか。
 そんなことを考えながら予想。次のレースはある程度鉄板だからダブル(2重勝)を仕掛けるにはこのレースが面白い。AShinForwardや香港馬をチョイスして購入。他にも馬連を購入する。
 早くレースが始まらないかな、と思っていたゲート前でアクシデント。1番人気だったAbleOneがスクラッチ(発走取消)。俺の予想が崩れちゃう・・・。待ってよ〜!
香港カップ優勝SnowFairy  困惑感が混じる中レースはスタート。直線で2番手にいたBeautyFlashが抜け出すとそのまま他馬を寄せ付けずゴール。地元香港馬の勝利に沸き上がるスタンド。1番人気の香港馬がレースを取り消したが、しっかりと他の香港馬が穴を埋める勝利だった。2着争いは後ろからフランス勢が。RoyalBench(フランス)、Sahpresa、Rajsaman(フランス)が雪崩れ込んでゴール。その中に日本からのAShinForwardも入っていて、Rajsamaと同着の4着。正直微妙な結果で、4着同着はどうでも良いのだが、香港はFirst4という4連複があるので大事ではある。
 ちなみにBeautyFlashはダブルを買う際に最後の最後で切った馬・・・あぁ無常。でもアンソニークルーズ師の喜んだ顔が見られたので満足。そういえば去年の香港国際レースデーでの一般レースで勝利を収めて、この馬は香港のクラシックレースを勝てるよ、と言ったのは覚えている。しっかりと香港クラシックマイルを優勝という結果を残しているのでその時は嬉しかったが、まさかこんな舞台でも勝っちゃうとは・・・。
 8Rはメインになる香港カップ。ここはSnowFairy(イギリス)であろう。少なくとも日本でのレースを見ている人間にとってはこの馬しか見えない。それに昨年の香港カップ勝ち馬であるVisionD'etat(フランス)で鉄板と予想。香港馬も最近力を付けている。Irian(香港)、Collection(香港)あたりは勝負になるだろう。ただ地の利を活かせれば、となるが。
 レースは地元PackingWinner(香港)が逃げる。これは想定の範囲内。ただ今日の馬場は先行馬が残る馬場。だから気になる。それにPackingWinnerが逃げるとスローペースになる。あまりペースが遅くなっては困るのだが・・・。Collectionはいいにしても、VisionD'etatやSnowFairyには辛い。直線に入ってもPackingWinnerの余力は残っている。これは逃げ切りもあるかも。かなり焦る。SnowFairyはもう無理だろう。そう思った。が残り200mからのSnowFairyの追い込みの足は見事だった。大外から突っ込んできたその脚は一気に先行勢を交わし切る。脅威の末脚に驚きながら、先頭でゴールしたSnowFairyに感嘆の言葉しか出なかった。流石は世界の強豪馬だ。SnowFairyに交わされたが、2着でゴールをしたIrianの地力にも驚いた。これからの香港の2000mは安泰だろう、この馬がいるから。逃げ残ったPackingWinnerは相変わらず自分の展開に持ち込んだら安定した力を出すな。で私の心の対抗馬VisionD'etatは4着。あぁ去年買わなかったら1着で、今年勝負したら4着で・・・何だろう、嫌いか俺が?
 そんなこんなで香港国際レースが終わった。でも今年は久々に感動がたくさん生まれた年だったのでは、と勝手に思い嬉しく感じる。馬券的にはトントンではあったが、それ以上の喜びがあったので全く問題なし。ありがとう、香港国際レース。
SeeYouNextYearまた会いましょう  とは言ってもまだ2つのレースが残っているのだが、私的にはもう競馬は終わっているのでノンビリとレースを見る。またF氏ともここで合流する。
 10Rが終わると閉会セレモニー待ち。時計も18時を回り、流石に夜空も暗くなってきた。でもこれからがお楽しみですよ。競馬場内の照明が薄くなると大型ビジョンでこの1週間を振り返り、そして今日の国際レースを画面4分割して流す。相変わらず香港ジョッキークラブの映像班の手際は良く、演出も素晴らしい画面を見ながら感動したスプリントを始め3つのレースを振り返る。やっぱり今年は良かったなぁ。映像が終わるとブラスバンドの演奏、そして花火が。今年は花火も豪華だったかな。とにかく打ち上がる花火を見ながら、また笑顔でこのセレモニーに参加したいな、と思う。そう笑顔で。本当にありがとう、競馬の神様、またよろしくお願いします。
 セレモニーが終わると「See Yon Next Year」の文字が画面に浮かぶ。また来年、会いましょうこの場所で!
 身も心も競馬に漬かった1日だった。
 さて市内に戻りますか。F氏と一緒に馬場駅ではなく、火炭駅へ向かう。馬場駅から九龍方面に向かっても良いのだが、電車の数が少ないのと電車が混みあう。また運賃も高いので、少し歩くが電車が豊富に来る火炭駅へ。途中新しくビルの中に道が出来ていたので混雑をあまり感じず駅まで歩く。
 火炭駅から九龍塘駅で乗り換えずMTR西鉄との連絡駅ホンハム駅へ。そしてMTR西鉄に乗って東尖駅へ。ここから地下道を歩いて尖沙咀へ。向かうのは重慶マンションのインド料理屋タージマハル。ここに来ないと私の香港旅行は完結しない。そんなわけでチキンマドラスとライス、マサラティーを頼む。相変わらずカレーは美味しい。このロケーションだけど、味は確かである。時間が時間だったので店が混んでいて、食後にと頼んだマサラティーがなかなか来なかったのが・・・一応補足しておくと私は急いでいなかったのだが、F氏が次に行きたい所の時間を考えていて・・・私はもう少し遅くなっても大丈夫と思っていたが。
香港の夜景  無事マサラティーも飲んで私の香港食事も思い残すことなし。
 重慶マンションをあとにして地下鉄で油麻地にある時テン広場というショッピングモールへ。ここには前日見た香港エロゲー雑誌に載っていた広告の店がある。ここはどうしても押えておきたい、というF氏のお言葉があって訪れた。このショッピングモールもオタク系というかサブカルチャー系のお店が多かった。目的のお店を発見するが、ここにはエロゲーは売っておらず。やっぱり香港ではエロゲーはネットから違法ダウンロードしていて、その紹介や攻略をあのエロゲー雑誌がしているのかな。それでは何の利益も生まないと思うのだが。謎は深まる。
 私はヴィクトリア湾のビルのイルミネーションを見るためにF氏を別れて再び尖沙咀へ。新装された地下道を通ってヴィクトリア湾に到着。さぁ写真をいっぱい撮るぞ、と意気込むがカメラの電池がほぼ残っていなかった。でも大丈夫、予備の電池も持って来ているし、と入れ替えるが実はこっちのは充電切れしていた電池だった。そんなわけで結局思い通りのビル夜景が撮れず。非常に心残りである。ただ心に焼き付けたし、また来年への思いも強まる。そうだ、また来年ここに来てリベンジをしよう、約束だよ! 華やかなビルのイルミネーションを見て心を綺麗にしてこの場を離れる。
 MTR地鉄で太子駅へ。スーパーに寄ってビールを買ってからホテルに到着したのは22時過ぎ。意外に早い戻りでもあった。
 シャワーを浴びてからビールを飲みながらPCでネットチェック。そして荷物整理をしていると時間は競馬番組の時間に。ベッドの上から今日の競馬を見返す。やっぱり今年の国際レースは印象に残るものばかりだ。
 明日は朝6時に送迎のバスが来るのだが、寝たのは2時前。大丈夫か。

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