11時過ぎにマックを出る。地下鉄で尖沙咀へ行き、そこから広九東鉄に。
ちょうど馬場を通る電車が出発しそうな感じだったで急いで乗る。電車は九龍塘駅に着くと人が多く乗ってきた。みんな競馬場へ行くのだろうな。目の前の座席に座っていた日本人が馬場駅に着きそうな時に「読んでいてわかります？」と聞かれたので、ハイと答える。実はよくはわかっていないけど。言語がわからなくても解読するのが海外競馬の楽しみの一つ。最初からわからないと投げ出すのは競馬人として失格でしょ、やっぱり。そんな事を思いながら新聞を読んでいた。電車が馬場駅に着き、降りる。人々に混じって出口に向かう。駅の出口の先にある、競馬場入口で外国人の列に加わる。今日は１５０香港ドルらしい。やっぱり国際レースデーはメンバーエリアの入場料が高く設定しているようだ。去年もそうだったし。パスポートを見せて、パスをもらい中に入る。とりあえず昨日会ったデニス君との待ち合わせ場所のパドック前に行く。がデニス君の姿が見えない。電話をしてみると遅れるらしい。
メンバーエリア内へ入る。１Ｒの馬がパドックに入ってきた。パドックの柵前でヴェリーフィット（Very
Fit）というサイレントウィットネスの弟の写真を撮る。ついでにフジキセキ産駒のフジサンライズ（Fuji
Sunrise）もいる。これの写真も撮っておくか。馬券もヴェリーフィットとフジサンライズの馬複で今日の運試し。レースはライスフィールド(Rice
Field)という馬が勝ち、ヴェリーフィットは後ろの方でゴール。弟は兄ような力強さを感じる事ができなかった。偉大なる兄は越せそうにないだろうな。レース後グッズ売場を覗くとサイレントウィットネスグッズが山のようにあった。あれも欲しい、これも欲しいと買っていたら多くの荷物が手にあった。サイレントウィットネスのオクトパスカードは限定品だったし、コースターはかわいいキャラクター物。ネックストラップはこれから使えるかも。とにかくいい買い物をした。これだけでも十分今日の収穫であった。
２Ｒはフサイチペガサス産駒のフローラルペガサス（Floral Pegasus）が１番人気。しかも単勝１倍台。香港では１番人気を買うな、が私の香港競馬での掟。でもこの馬強そうだけど１番人気は買いたくない。なのでこのレースは馬券を買わず見るだけとする。レースはこの１番人気が危なげなく勝利。今はクラス３だけど、クラス２は簡単にクリアできる力があるかも。
３Ｒから国際レースの開始。私は写真を撮りモード、Ｆ氏は馬券モードになる。
パドックへ行くと国際レース開始のセレモニーをやっていた。終わるとようやくパドックに香港ヴァース出走馬がやってきた。出走時間まで時間がなかったので、パドックに来た馬は鞍を乗せていて、すぐに騎手を乗せてパドックを出ていった。馬券を購入後、グッズショップ前で待ち合わせていたデニス君と会う。今日は友人と一緒だった。デニス君たちと本馬場へ向かい香港ヴァース観戦。レースはウイジャボード（Ouija
Board）が直線で馬群を突き抜けて先頭に立つ。日本代表のシックスセンスも外から来ているが先頭には届きそうにない。でも前にいる香港のベストギフト（Best
Gift）は交わせそう。交わせと叫ぶと何とか２着に入った。厳しいレースになると思っていたが、まさか２着に入るとは。驚きである。馬券的には美味しい配当で、今日の負けはないのが決まった。ちなみに１番人気のウエスターナー（Westener）は馬群に沈んでいた。デニス君達とは香港カップの後に会う約束をして別れる。
４Ｒは国際レースに出なかったオープン馬らが出走するレース。それなりに力が拮抗したメンバーが揃っている。その中だから１番人気は割れている。フレーミングランボルギーニ（Flaming Lanborgini）が１番人気で単勝３〜４倍台。この馬を蹴り飛ばして少し強気な馬複馬券を買うが、フレーミングランボルギーニが中段後ろから抜け出して勝利を収める。馬券は外れた。
５Ｒは香港スプリント。サイレントウィットネスがいないのは本当に寂しい。主役がいないので人気も割れている。どれを買おうか決まらず、弱気な５頭ワイドボックスで勝負をする。レースは去年はマカオ所属で去年３着だったブービー人気の香港馬ナチュラルブリッツ（Natural
Blitz）が優勝、２着にプラネットルーラー（Planet Ruler）、３着アビルプリンス（Able
Prince）と上位に香港馬が独占（４着も香港馬のカントリーミュージック（Country
Music））。１番人気で香港スプリント界２番手の力の持ち主、ケープオブグッドホープ（Cape Of Good
Hope）は５着、日本馬で２番人気のアドマイヤマックスは見せ場なく終わっていた。馬券は当たったもののトリガミ。マイナス計上である。レース結果を見ると、サイレントウィットネスが７分の出来でも勝てたのでは、と思えてしまう感じだった。勝ち時計も平凡以下だったし（昨年ナチュラルブリッツが３着に入ったタイムとほぼ同じ）。余計にサイレントウィットネスの存在感の強さを実感した。６Ｒはお休み。人気も割れていたし、１番人気も買いたくなかったので。レースは１番人気のシストルキング（Thistle King）が勝利。
７Ｒは香港マイルである。パドックで写真撮影。ラクティ（Rakti）を撮ったりするが、お目当ては日本馬のハットトリックとアサクサデンエン。両馬ともに出来上がっているようで、楽しめそうだ。ただ香港代表のブリッシュラック（Bullish Lack）も悪くない。この３頭プラス前走香港マイルトライアルを勝っているデービスベスト（Deve's Best）に昨年の香港マイル２着パーフェクトパートナー（Parfect Partner）辺りまでがチャンスがあるのかな。ただラクティは気分屋だけに少し危険度は高いけど。
パドックで写真を撮っていると、なにやら変な動きが。騎手が全員集められて説明を受けている。そしてパドック周回中の馬達が続々と鞍を降ろしている。どうしたの、もしかしてレースが中止に？ と考える。後日知る事になるのだが、パドックに鉛が落ちていたので、再検量をしたのでこのような事が起きたとの事。神経質なんだね、香港競馬会って。慎重なのは良い事だけど。
最終的な人気はブリッシュラックが地元の期待を背負って１番人気。２番人気にはラクティとハットトリックが続く。中間段階では１番人気だったアサクサデンエンは４番人気まで落ちた。
レースは昨年同様シンティレーション（Scintillation）がペースを作る。そして３コーナーを回るとアサクサデンエンが前へ進出。これは勝てるかも、と期待が高まる。そして最終コーナーを回ってアサクサデンエンが外から足を伸ばそうとする。が伸びない。するとその外から来たのはハットトリック。マジかよ、これ勝っちゃうよ。希望が現実に。先頭に立つとそのままと叫ぶ。そしてゴールイン。日本馬が４年振りの香港マイルを制した。しかも日本生産馬の勝利である。嬉しかった。が本命で馬券もしこたま買っていたアサクサデンエンが期待むなしく結局６着。心底から喜べなかった。でも日本馬の勝利を見られたのは本当に良かった。８Ｒのパドックで聞いた君が代には感動した。
８Ｒは香港カップ。本日のメインレース。が今回はカップにはいいメンバーが集っていなかった。昨年の香港カップ勝ち馬アレキサンダーゴールドラン（Alexander Goldrun）やゼンノロブロイが２着になったイギリス遠征（チャンピオンズステークス）で３着になったマラーヘル（Maraahel）くらいか。なので中心は今年のＱＥ２カップを勝っている香港代表ヴェンジャンスオブレイン（Vengence Of Rain）。サイレントウィットネスが回避したおかげで香港中の期待がこの馬に。単勝１倍代がそれを象徴している。馬体を見にパドックへ。なかなか迫力がある。伊達にＱＥ２カップも香港ダービーも優勝していない。過度の注目が集まるのもうなずける。
レースは中団で待機したヴェンジャンスオブレインが横綱相撲で勝利。２着に来たフランス馬プライド（Pride）にクビ差まで詰め寄られてはいたが、交わされる感じはしなかった。強さを実感した。観客席は大いに盛り上がっている。同じ香港馬のナチュラルブリッツが勝った時よりはるかに歓声が大きい。香港応援隊からは大きなクラッカーが鳴った。とにかく大騒ぎであった。引き上げてきたヴェンジャンスオブレイン鞍上のデルペチもホッとした様子だ。主役を急遽任されて、代役をやり遂げたこのコンビを見て、新たなヒーローが生まれたのを感じた。確かに今回はレース自体のレベルが低くもあったが、ヴェンジャンスオブレイン自体にはまだまだ奥深い力があるように見えたし、強さも感じた。この勝利で今シーズンのワールドチャンピオンもヴェンジャンスオブレインに決定もした。ちなみに私の馬券はヴェンジャンスオブレインの単勝と、ヴェンジャンスオブレインから馬連総流し。馬連総流しはトリガミも考えられたが、結果的にはプラスになったのでホクホク。
８Ｒ後に再びデニス君と合流。９Ｒを一緒に見る。私はもう馬券を買うつもりがなかったので観戦のみ。レースはジョイフルウィナー（Joyful Winner）が１番人気で勝利。今日は１番人気がよく勝った日だった。珍しい事もあるものだ。
全レース後のお楽しみはセレモニー。が去年まであった花火がない。ビジョンに花火の絵が映るのみ。地味なまま終わってしまった。セレモニーが見たくてこの場所にいるのに…。残念極まりない。
場内も暗くなってきたので競馬場を後にする。競馬の話をしながら駅に向かって歩く。
途中過去香港での国際レースを勝った騎手や調教師などをたたえるプレートを発見。こんな所に武豊や福永祐一のプレートがあるなんて、本人達は知らないだろうな、多分。競馬場の建物を離れ、駅へ。Ｆ氏は帰りの切符を持っていなかったので切符の列に加わる。私とデニス君達は駅の中で待つ。なかなか言いたい事を伝えられないが、何とか会話は成立していく。その中でデニス君はかなり日本の競馬に詳しい事が判明。どうしてか、と聞いたところゲームのギャロップレーサーで知ったとの事。なるほど、ゲームを通じて日本競馬を知ったのか。意外な答えだったのでビックリした。Ｆ氏と合流後、日本競馬について知っている事を聞く。すると出てくる出てくる。日本の知っている騎手を聞いたら、武豊や岡部幸雄（引退した、と教えて上げる）、福永祐一の名に混じって横山典弘まで。凄いなぁ。またタイキシャトルはスプリンターではないのか、と言われたりもする。彼はスプリンターではなくマイラーだよ、と答える。有馬記念では何が勝つと思うと質問をされたりする。日本の競馬ってよその場所からも注目されているのだな、と初めて知った。デニス君達の知識には本当に驚きの連続だった。それと同時にもっと英語がしゃべれれば彼らをもっと満足させる事が出来ただろう、と思うと悔しい気分にもなった。九龍塘駅で２人と別れる。また会いましょうと約束をして。我々は終点の尖沙咀東駅で下車。地下道を通って尖沙咀へ。地上に上がってぶらついたりする。時間的にも19時、そろそろ夕御飯の時間だ。お互い昼御飯を食べずにいたので何か食べたい。路地を曲がると居酒屋の和民の看板が見えてきた。日本でも有名な居酒屋は、香港ではどんな感じになっているのか見てみたいので和民に向かう。が入り口にはいると中には行列が。これはすぐに入れないな、という事で退散。更に道を進むと元禄寿司の看板を発見。香港のお寿司を食べてみたいかも。元禄寿司へ行く。入れるかどうか不安だったが、
席はあるという。カウンター席をオーダーして中に入る。店の中では店員は慣れない日本語で「いらっしゃいませ」と言っている。少し感動。カウンターの前では寿司が回っている。香港にあるチェーン店の寿司屋はほとんどが回転寿司なのである。早速席に座る。そして回っている寿司（サーモン系が多い）を取る。食べる。うん、普通にお寿司だな。ただわさびが乗っていない。テーブルの上にわさびが置いてあるが、わさびも粉末わさびだから辛さが足りない。でもまぁ良いのかな。日本の回転寿司よりかは回っている寿司の数は少ないが、それでもなかなかの品揃えでもある。回っていなくても注文すれば出てくるようだし、お刺身も注文できる。驚いたのは鍋物の頼めるというところ。日本食なら何でもありか？結論を言えば普通の店ではあった。寿司はストライクゾーンを全然離れていないし。それなりに納得な味だ。料金は香港での物価を考えると多少割高感はある。でも一度は見ておいてもよい場所ではあるし、話の種には十分ではある。
店を出て21時過ぎにホテル到着。Ｆ氏は疲れたという事で私一人で足裏マッサージへ行く。お目当ての店はハッピーバレー。トラムに乗って出発。さて前に行った店に行きますか、と角を曲がる。確か以前に来た店はここのはずなんだけど、看板が違う。それに店の作りも違うかな。でも足裏マッサージ屋ではある。値段も良心的だし入ってしまえ、と中へ。すると以前入った時とは違う店内。間違えたか。でも足裏マッサージに違いはない。50分の足裏マッサージのコースを頼む。久々の足裏マッサージ、気持ちいいねぇ。ソファーに座りながら満足な気分に。足の疲れが取れていくようだ。あまりに気持ちよかったので50分が短く感じた。料金を支払い、店のチラシをもらって外へ出る。後に知るのだが、この店は以前行った店と同じ住所。オーナーが変わっていたらしい。同じ場所で同じように足裏マッサージ店を開くのも、おかしな話。
トラムに乗ってホテルへ23時半頃戻る。まだ競馬番組が始まっていなくてホッとする。明日に備え荷物の整理をする。今回は買った物が少なくて良かった、キャリーバックの中に全て入る。荷物整理が終わった頃に競馬番組が始まる。シックスセンスの好走やハットトリックの勝利を再び見て感動をする。
競馬番組を見終わり寝る事に。明日は朝早い。
